木村内科

消化器科

胆嚢(たんのう)ポリープ

健診や人間ドックでの超音波の普及に伴い成人の5〜10%に胆嚢ポリープが発見されていますが、これは胆石とほぼ同じ頻度ですから、かなり多い病気と言えます。発症の年齢は、特に40〜50歳代で多くなっています。男女比はほぼ同じかやや男性に多い傾向があります。

胆嚢ポリープときくと驚かれる方が多いのですが、実際は胆嚢ポリープの95%以上がコレステロールポリープという非腫瘍性のポリープで、癌になることはありません。

一方、腫瘍性ポリープには、「胆嚢腺腫」と呼ばれる良性ポリープと、悪性腫瘍である「胆嚢がん」とがあります。

検査・診断
腹部超音波検査を行います。
ポリープの大きさが10mm以下(特に5mm以下)で数が多い場合には、コレステロールポリープの可能性が高くなります。
10mmを超える病変では癌および腺腫の考慮が必要と思われます。
5mm以下の胆嚢ポリープは1年ごと、6〜10mmの胆嚢ポリープは6ヶ月ごとに超音波検査を行なって、大きくなっていないかなど、がん化の兆候を定期的に確認します。10mmを超えるものは精密検査を行います。

膵嚢胞(すいのうほう)

膵嚢胞とは膵臓の中にできる内部に水成分などを含んだ袋状のものを指します。

多くは無症状ですが、検診やドックなどで行われる腹部超音波検査、CT検査などの画質が以前より向上したために、偶然見つかることが非常に増えてきている病気です。

膵嚢胞には、放置してよいものから、手術を行うべきものまで、診断結果によって治療方針が大きく変わるため、各種検査を組み合わせて出来るだけ正確な診断を行う必要があります。

腫瘍性の膵嚢胞の中で、最も多いものが分枝型の膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal papillary mutinous neoplasm: IPMN)です。
主膵管型IPMNは癌になる可能性が高いため手術が必要です。一方で、分枝型IPMNは癌になる可能性は2〜3%程度とされているため、多くの場合は定期的に経過をみていくことになります。

当院では、腹部エコー検査にて膵嚢胞を定期的に経過観察させていただいています。