高血圧性網膜症
はじめに…
高血圧症の方には、眼底検査をすすめます。
それは直接血管が観察できる唯一の部位が、眼底だからです。
眼底検査の結果が、高血圧症などの診断や治療にも広く利用されています。
眼底検査
- 高血圧の影響(H所見)
- 網膜の動脈が細くなる狭細化という現象をみます。動脈がどのくらい細くなっているかを、平行している静脈の太さを基準に判定します。また動脈の口径不同をみます。
- 動脈硬化の程度(S所見)
- 高血圧状態が続くと、血管壁が硬く変性する動脈硬化が起きてきます。動脈硬化の程度は、動脈の血柱反射の亢進や動静脈交叉現象等でみます。
高血圧網膜症
高血圧眼底がひどくなると、出血斑・滲出班、軟性白斑、網膜浮腫などを生じ、高血圧網膜症となります。
高血圧網膜症は、黄斑部に浮腫や出血を生じなければ、視力低下などの自覚症状を伴いません。高血圧網膜症がさらに進行し、新生血管や硝子体出血、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、血管新生緑内障や網膜剥離を生じることがあります。
眼底検査により、高血圧網膜症の早期発見をします。また、網膜血管を見ることにより、全身の血管の状態を予測し、脳梗塞や心筋梗塞の発作の発生の予防に役立ちます。
- 高血圧の治療
- 血圧が高いと指摘されたら、内科を受診してください。そして高血圧の診断と生活指導を受けてください。食事指導により減塩、肥満解消をし、運動、禁煙など生活習慣の改善をしましょう。これにより血圧が正常レベルまで下がることも少なくありません。効果が十分でなければ、降圧薬を服用しましょう。
→高血圧症