木村眼科

眼瞼痙攣・片側顔面痙攣に対するボトックス注射

眼瞼痙攣とは

脳からの命令が、目の周りの筋肉に正しく伝わらないため、上手に目の開閉ができなくなる状態です。

症状
通常は両眼性ですが、片眼性の場合もあります。眼瞼痙攣は、必ずしもピクピクはしません。
はじまりは、光がまぶしく感じたり、瞬きが増えます。目が乾く、目がごろごろするといったドライアイのような症状が見られます。さらに進行すると、瞼が垂れる(目が細くなった)、目を開けづらい、目が自然に閉じてしまう状態になります。自動車の運転にも困るようになります。
原因
眼瞼痙攣の原因は、不明です。40歳から70歳の中高齢者で発症することが多く、男女の比率はほぼ1対2で女性に多くみられます。睡眠導入剤の内服をしている方によく見られます。また、ドライアイと診断されたまま有効な治療を行っていない方も多いようです。
治療
ボトックス注射:ボツリヌス毒素を局所に注射する方法です。
ピクつきのある部分に、0.05mlのボトックスを注射します。効果は注射後翌日から出現し、約3ヶ月持続します。効果がなくなると、再度ボトックス注射をします。
ボトックス注射は、ボツリヌス菌から作成されたボツリヌス毒素から作られます。よくある副作用は、注射後、眼が閉じにくくなり、角膜に傷を生じます。一過性のものですが、ドライアイの治療が必要になります。
眼瞼痙攣は、保険適応です。治療費は、3割負担の方で約17,000円です。ボトックスは、美容外科でも、しわ取りによく使われていますが、保険は効きません。

 

片側顔面痙攣とは

片方の目の周りや、頬や口の周囲がピクピクと動く病気が顔面痙攣です。

40歳以上に多く、男女比はほぼ1:2です。
両側に起こることは非常にまれです。

症状
顔の片側が、自分の意思とは関係なく痙攣します。はじめは、目のまわりから始まり、頬や口元へと広がります。さらに進むと、あごの下の筋肉も痙攣するようになります。
顔面神経は、痛みの神経とは無関係なので、痛みは伴いません。
原因
片側の顔面神経が脳幹から出てくるところで、正常な血管(動脈)とぶつかって、勝手に興奮させられている場合が、原因として最も多いものです。 なかには血管でなく腫瘍や血管瘤が神経にぶつかっていることもあるので、一度は画像診断しておくほうがよいとされます。
治療
① ボトックス注射:ボツリヌス毒素を局所に注射する方法です。
ピクつきのある部分に、0.05mlのボトックスを注射します。効果は注射後翌日から出現し、約3ヶ月持続します。効果がなくなると、再度ボトックス注射をします。
ボトックス注射は、ボツリヌス菌から作成されたボツリヌス毒素から作られます。よくある副作用は、注射後、眼が閉じにくくなり、角膜に傷を生じます。一過性のものですが、ドライアイの治療が必要になります。
顔面痙攣は、保険適応です。治療費は、3割負担の方で約17,000円です。ボトックスは、美容外科でも、しわ取りによく使われていますが、保険は効きません。
② 手術:外科的処置で、血管などが顔面神経を圧迫しているところを治療し、痙攣を押さえる手術をします。この手術の有効率は85%以上と高いのですが、顔面神経麻痺、聴力消失などの合併症が無視できないので、特に軽症例にはお勧めできません。
従って、脳MRIなどの検査で脳内に病変を認めない場合は、ボツリヌス治療が第1選択になるものと考えています。