木村眼科

眼瞼形成手術

眼瞼(ガンケン)内反症手術

下眼瞼内反症

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症状
眼瞼内反症とは、逆まつ毛の一部をさします。まつげが内側に向いてしまい(内反)、角膜や結膜に傷をつけたり、目ヤニがでます。
逆まつ毛と呼ばれるものの中には、本来の睫毛列以外の部分から生えてくるため、睫毛が眼球に当たってしまう睫毛乱生も含まれますが、これは眼瞼内反とは区別します。
原因
主に加齢により生じます。年を取ると下眼瞼牽引筋腱膜の断裂や弛緩が起こります。眼輪筋もゆるんで瞼板を横に引く力も弱くなります。皮膚もたるんできます。
治療
眼瞼内反症は、手術で治療します。主にJones法(下眼瞼牽引筋腱膜を瞼板にもどす術式)と水平短縮術(横方向の弛緩を瞼板を切除縫合する方法)で行っています。

 

下眼瞼睫毛内反症

症状
下眼睫毛瞼内反症とは、小児に多く、睫毛が角膜の方向を向き、角膜や結膜に傷をつけたり、目ヤニがでます。角膜に障害を起こす場合、弱視の可能性もあります。軽度であれば、自然に治ることもあります。視力不良例や、10歳を過ぎた人は改善が見込めないので手術が必要でしょう。
原因
眼周囲の過剰組織による内反や下眼瞼牽引筋腱膜の枝の未発達が原因と言われています。
治療
下眼瞼睫毛内反症は、手術で治療します。主に下眼瞼切開法とLid Split法でおこなっています。確かに再発がしにくい方法だと思います。

 

眼瞼下垂

眼瞼下垂は、先天性と後天性に分けられます。

①先天性眼瞼下垂

原因
生まれつき眼瞼挙筋(まぶたを上げる筋肉)の働きが不良なことによるもので、片眼性と両眼性があります。ほとんどの場合、視力の発達に問題はありません。手術も急ぐことはありません。しかし、まれに弱視や斜視の原因となる場合もあります。まったく開かないか、きわめて高度で見るのがつらそうという場合には2歳以下でも手術が必要です。
治療
先天性眼瞼下垂の場合、小児であり、全身麻酔ですることが多く、全身麻酔のできる施設に紹介しております。

 

②後天性眼瞼下垂

症状
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眼瞼下垂とは、まぶたが下がり、上まぶたが瞳孔の上縁にかかり、見にくくなった状態をいいます。
下がったまぶたを持ち上げるため、おでこの筋肉(前頭筋)を使ってまぶたを上げます。眉毛の位置が上がり、おでこにしわがよります。老人のおでこにしわが寄っているのはこのためです。眼精疲労や頭痛、肩こりの原因になるともいわれています。
原因
加齢により眼瞼挙筋と眼瞼の支持組織である瞼板や皮膚との間の結合が緩んで起こります。長期間にわたりハードコンタクトレンズを付けていた人にも生じます。急にまぶたが下がった場合には脳梗塞、脳動脈瘤や糖尿病などによる動眼神経麻痺や重症筋無力症で発症することもあります。
治療
加齢性による腱膜性眼瞼下垂に対しては、ゆるんだ眼瞼挙筋と瞼板を縫着します。二重まぶたのしわに沿って皮膚を切開し、ゆるんでいる挙筋腱膜を縫合します。

 

皮膚弛緩症

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症状
真の瞼縁の位置は正常なのに、眼瞼皮膚がたるんで瞼縁を乗り越えて、下がった状態です。一見、眼瞼下垂のように見えますが眼瞼の挙筋機能は正常です。
原因
加齢です。
治療
① 眉毛下皮膚切除術:眼瞼の皮膚が厚い場合、眉毛下で切開します。傷跡は残りますが、重瞼はいじらないので自然な感じになります。一重瞼の男性で二重瞼になりたくない人に向いています。
② 瞼縁皮膚切除術:皮膚が薄い方に行います。瞼縁の皮膚を切開します。同時に重瞼形成を行います。眼瞼皮膚の薄く、二重瞼になりたい女性に向いています。また、一緒に眼瞼下垂の手術をすることもあります。

 

眼瞼腫瘍

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まぶたにできた腫瘍の総称で、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。良性か悪性かによって、治療法や長期的な経過が異なります。現実には、まぶたにできる腫瘍は、ほとんどが良性です。
まぶたにできた腫瘍の治療は、皮膚科ではなく眼科でおこないます。

症状
まぶたにしこりができ、大きくなると目の異物感や流涙を感じます。腫瘍部分に出血をみることもあります。

治療法
 まぶたの腫瘍を切除します。単に切除しそのままにすることもあれば、切除し縫合することもあります。そして摘出した腫瘍を病理標本に出します。その結果で良性か悪性かわかります。悪性腫瘍であることがわかった場合は広範囲に切除する必要があり、大きな病院に紹介します。最初から悪性腫瘍が疑われる場合は、はじめに大きな病院に紹介します。