クリニック広報

新型コロナウイルス抗体検査の実施について

新型コロナウイルス抗体検査の実施について

・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査を実施する事ができるようになりました。 お電話にて予約をして下さい。
・検査の際に、問診票、同意書を記入していただきますので予め取りに来ていただきますとスムーズに検査が可能となっております。
※企業の方や会社の方など団体で希望される場合(概ね5人以上)は日程等を調整させていただきます。

新型コロナウイルス抗体検査の実施について

当院にて新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するIgM/IgG抗体検査を行います。

新型コロナウイルスに対する抗体反応についてはいまだ不明な点が多く、臨床的な意義については確定しておりません。

当院が使用する新型コロナウイルス抗体検査キットも臨床診断用とは認められておらず、あくまでも研究目的の使用に限られております。

抗体検査はこんな方におすすめしています

・これまで特に自覚症状がなく、ずっと健康ではあったものの、過去に新型コロナウイルス感染症にかかっていたか心配な方。

・少し前に風邪の症状があり健康状態には戻ったものの、それが新型コロナウイルス感染症だったか心配な方。

・出勤する又は登校登園するのに際し、自らが免疫を持っている状態か予め確認しておきたい方

・社員の方をオフィス勤務に復帰させるに当たって社内での集団感染を未然に防止したい経営者・管理部の方。

【対象者】
1. 小学生以上の方
2. 未成年者の場合は保護者の同意を頂いた方
3. 現在、発熱や風邪症状のない方

【新型コロナウイルス抗体検査外来の流れ】

1. 電話にて新型コロナウイルス抗体検査予約をしてください。検査可能分のみ予約が可能です

2. 一人で複数人希望される場合は、全員分の予約枠を確保してください
3. 予約時間になりましたら、マスク着用の上、ご来院ください
4. 受付にて保険証(ない方は身分証)提示してください (できるだけ保険証をご持参ください
5. 説明書をお読みの上、問診票および、同意書に記入していただきます。
6. 体温測定(37.5度以上の方はご遠慮いただきます
7.  肘の静脈から1cc程度の採血、もしくは指先から穿刺して行います
8.  約15分~30分お待ちいただいた後、結果をお伝えいたします
9.  臨床的なご質問についてはお答えしかねます。

注意事項

1、当日、風邪症状があると認められた場合、検査をお断りする場合があります。その際には保険診療を受けていただくことは可能です。

2、新型コロナウイルス抗体検査キットは複数社利用しております。現在使用している製品は、韓国GenBody社、カナダ Artron Laboratories Inc. 製となっております。このうちどちらのキットを使用するかは、キットの入荷状況によりますので指定できませんのでご了承ください。

4. やむを得ずキャンセルする場合は必ずご連絡ください。無断キャンセルの場合、同じ方からの申し込みは受け付けません。

5. 自費診療代は変更すること場合があります。

新型コロナウイルスの抗体検査

感染症の診断は、一般的に急性期(症状が現れている時期)にウイルス検出、回復期には抗体検査が実施されます。ウイルス検出にはウイルス分離培養、抗原検出(イムノクロマト法)や遺伝子検出法(PCR)等を用いられます。

現在、新型コロナウイルスのPCR検査は保健所を窓口に実施されています。

これは鼻咽頭スワブ液等から新型コロナウイルス遺伝子を抽出(取り出す)し、逆転写(RT)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって検出する方法です。ウイルスに感染しているかどうかを調べます。

一方、抗体検査は新型コロナウイルスに感染していたかどうかを調べる検査法です。

感染症では主に、その病原体に対するIgG、IgMを調べます。

新型コロナウイルス研究の歴史は浅く、感染からの日数とウイルス及び抗体の陽性率の推移まとめた報告があります(Nandini Sethuraman ら、JAMA.2020.8259, 忽那賢志訳https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200509-00177709/)。

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イムノクロマト法を用いた新型コロナウイルス抗体検査は、ヒト血清、血漿中に出現した新型コロナウイルスに対するIgM抗体とIgG抗体を調べ、これまでに新型コロナウイルスへの感染があったかどうかを補助的に判断するための簡易キットです。

しかし、キットにより検出感度や特異性が異なるのが難点で、現時点では正確な診断をするための検査にはなりません。
一般的にウイルス感染後、IgM抗体は1-2週間(感染初期)、IgG抗体は2-3週以降(回復期)に出現します。イムノクロマト法を用いた抗体検査キットの評価では、発症後2週間後のIgM抗体陽性率は59.4%、IgG抗体陽性率は96.9%と報告されています.

イムノクロマト法で検出された場合、これまでに新型コロナウイルスに感染していた可能性を示します。しかし、新型コロナウイルスの免疫応答の研究歴史は浅く、抗体が感染を防御する(感染を防ぐ)抗体であるかどうかまだ不明です。したがって、抗体検査陽性であっても「二度と新型コロナウイルスにかからない」という保証にはまだ至っていません。

現時点での抗体検査の意味を正しく理解する必要があります。免疫(抗体)を持つヒトが人口の6~7割になる(集団免疫ができる)まで、感染は終息に向かいません。

ワクチン開発も日本を含む各国で進行しています。抗体検査の結果にかかわらず、こまめに石鹸やアルコール消毒液などでの手洗いや、マスクの着用と咳エチケットに気を付け、できるだけ人ごみの多い場所を避けるなど、自らを感染から守るだけでなく、自らが周囲に感染を拡大させないために一人ひとりの心がけが何より重要です。

また、新型コロナウイルス関連の情報は日々更新されていますので、感染症専門家会議からの提言を踏まえ、新型コロナウイルスの感染対策をこれまで以上に想定した「新しい生活様式」を日常生活の中で取り入れていきましょう。

厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627771.jpg